国公立大学

無謀な国公立第一志望

 国立大学を目指す学生の傾向、特に外国人受験生のうち中国人学生に多いですが、国立一発狙いの受験生が大勢います。関東圏で受験を考えている学生は止めた方がいいでしょう。特に関東圏では国立大学の千葉大学と埼玉大学に集中します。それぞれの大学に関する対策は別個に書いています。
 国立大学の外国人入試は、日本人の一般入試と同じ日程で実施される特別選抜入試です。そこで、11月の留学試験でも間に合います。その結果、6月成績が悪い者、勉強嫌いで苦しみを先送りする者が幻想を抱き、甘い考えで受験して行きます。
 以前から申し上げているとおり、11月の留学試験が終わり、12月下旬の結果発表を見てから大学を探したところで、出願は年明けになります。年明けに特別選抜入試を考えるのは、大学入試に関して無知な人間の無謀な行為です。
 常識で考えましょう!年明けには日本人の一般入試というのが待っています。外国人には申し訳ないですが、あたりまえのこととして、日本人受験者数は外国人の数十倍です。つまり、外国人の入試などにかまっている時間はないのです。その結果、年明けに行われる私立大学の外国人入試のほとんどが二次募集の類で、それも、日本留学試験の結果で選別される相対評価の受験です。つまり、点数が高いものが合格するのです。しかも、年末までの一次募集入試で落ちた外国人が、次年度のビザを確保するために必死に殺到してきます。
 日本留学試験は、日本語能力試験のように絶対評価で合否判定を行う試験ではありません。その結果、どんなに努力しても成績を下げる学生がいます。また、どんなに努力しても、その努力が成績につながるとは限らないのです。
 そこで、私は6月試験で(日本語)300以上スコアを出した学生にはその成績で勝負するように指導します。もちろん11月にも受けていい、いや、受けて奨学金を狙ってほしいですが、まず6月で300を超えた者は11月で成績を下げます。相対評価スコアの常識を知っていればわかることですが、それはまた別の機会に書きたいと思います。
 つまり、6月の成績で200前後の者が11月に300超えるなどまず不可能(もちろん例外もいます)で、それを知ったころには、すべてが手遅れになっているのです。特に中国人の中には、散々、このような指導をしたにもかかわらず、平気でこちらの責任だと押し付けてくるものもいますが、それは国際教育のジャンルで話したいと思います。
 最近、入管の締め付けが厳しくなり、大学に合格するより日本へ入国するほうが難しくなったと揶揄されますが、それでも、年明け受験は避けたほうが良いでしょう。そして、それは即、国立大学受験へと関係してきます。
 国立大学一本受験で、落ちたらどうするのでしょうか?
 「絶対に落ちない!」とか「落ちたら帰る。」とかいう受験生がほとんどですが、落ちても決して帰国しません。泣きついてきます。馬鹿みたいに金を使って、必死に日本に残ろうとします。その方が高くつきます。日本人から見れば理解できない行為ですが、そこらへんも国際教育のところで書きましたからそっちを読んでください。
 そこで、国立大学を目指すなら、落ちた場合を考えて、年内に必ず私立大学を合格しておくことをすすめます。これが日本人社会では常識です。もちろん、一発勝負で合格した外国人はいました。しかし、それってラッキーなんです。
 何度も言います!
 自殺行為をする外国人受験生たちは、口々に「そんなに受験するお金がない。留学生は生活が苦しい。」とか「日本の私立大学は本当に高い。」とか言います。ところが、そういいながらお金を大事にとっておいた学生が不合格になり、日本に残りたいがため、私立大学に進学するよりさらに多くのお金を無駄に使っています。逆に高くついているのです。
 受験業界に『記念受験』という言葉があります。これは、一応の志望校に合格した受験生が、自分の学力では到底難しい大学にチャレンジ精神で受験してみよう、受験生活の思い出に受験してみよう、それで受かったら超ラッキー、という意味で受ける受験のことをいいます。
 ところが、外国人の場合『日本に来た記念に受験した。』という意味の『記念受験』になっているようです。もちろん、受験する本人は全くそんなこと思っていないようですが。

TOEFLを受験して下さい
 そして、最近よく見られる傾向が、大学入試に関して無知がゆえの失敗です。特に国公立大学受験に関しては前述のようなものが見られますが、それ以前に、大学入試の中身に関しての無知が目立ちます。
 国公立大学受験を目指す外国人留学生は、TOEFLを受験して下さい!
 大学によっては、また、学部によっては、TOEFLの代わりにTOEICを認めるところもあるようですが、まず、国公立大学を目指す外国人留学生は、TOEFLを受験して下さい。これは、一番初めに日本留学試験が実施された頃に話題となったことですが、英語の試験に関する扱いが、大学によって違います。
 というのも、以前、外国人就学生が国公立大学を受験する時には『統一試験』という試験を受験しなければなりませんでした。この試験は、日本人が受験するセンター試験の外国人版のような試験で、一部、難関私立大学でも使っていたと記憶しています。その試験では英語の試験が課されていました。ところが、日本留学試験が実施されるようになると、留学試験に英語の試験がないため、英語力はどのように測るのかと問題になりました。それに関して日本留学試験の実施機関はあいまいな返答を繰り返すだけで、英語力に関しては、各大学の個別試験に任せるようなニュアンスで応対していました。今になれば、その頃、その実施機関も何も知らなかったのだと思います。
 現在、日本の大学では、日本人受験生に対し、大学入試の英語試験をTOEFLにしようか、といった議論がなされ、数年後には、日本人受験生が大学に進学するためにはTOEFLのスコアが必要になる、といった話しまで出ているほどです。無論、これは難関大学と言った有名一流大学中心の動きですが、大学で必要な英語力を日本人が作る英語の試験ではなく、アメリカ留学で必要なTOEFLで測定しようと言った動きです。それに連動するという訳でもないのでしょうが、統一された英語力測定の試験が外国人留学生に対して実施されない限り、統一性のある英語力を測定しようとしたらTOEFLがてっとり早いのです。そこで、日本の国公立大学では、進学を希望する外国人留学生に対し、TOEFL受験を課しています。
 ここで問題となるのが、TOEFLのスコアよりも受験です。
 知っている人なら分りますが、TOEFLという試験は、出願→受験→結果までの課程に、非常に時間がかかるのです。早めに受験をし、早めにスコアを出したつもりがギリギリだった、なんて例が数多くあります。適当に出願し、適当に受験し、適当な時期にスコアがでるのではないのです。もちろん、日本留学試験や日本語能力試験に比べれば、高い頻度で試験が実施されます。しかし、その実施予定を甘く考えていると、受験は出来ても、スコアがでるのが国公立大学の合格発表の後だったりします!
 そこで、日本の国公立大学を受験する学生は、まず先にTOEFLについてよく研究するようにしてください。その研究とは、まず先に、いつ頃の時期に受ければ国公立大学出願に間に合うのか、どのようにすれば受験できるのか、という試験の中身よりもむしろ事務的な事柄について研究して下さい。それらをしっかりと認識したうえで、TOEFLを受験しましょう!

国公立大学の面接試験
 国公立大学は公務員と言うことで(?)、一般的に面接試験では厳しいという評判があるようです。その評判どおりなのか否か、正確な統計を取ったことはありませんが、私どもの間でも、国公立の面接試験は、私立大学と比べ、一味も二味も違うといった話があります。
 私自身もそのとおりだと思います。
 こちらのページを見ていけば分かりますが、某大学など、全く嘘は通用しません。
 ある中国人学生が、面接試験の際、高度な質問をされました。高度とは言っても、もちろん高校生レベルの質問だったのですが、その質問への返答を逃げる際、『すみません。答えは分かります。しかし、日本語で表現できません。』と答えました。すると、毅然とした態度で面接官が『なら、通訳を付けましょう。』と言いうと、面接官の後ろから、留学生が出てきて、通訳を始めました。即行で嘘がバレ、その時点で面接が終了しました。
 恐いですね。
 けど、嘘をついた受験生が100%悪いのです。
 そのような訳で、どの大学でもそうですが、国公立の面接では特に気を引き締めて行きましょう。

東京大学一橋大学お茶の水女子大学
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宇都宮大学東京都立大学横浜市立大学
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