ここでは法務省告示校、いわゆる日本語学校に在籍する外国人留学生が、日本の大学へ進学する際のお話をしようと思います。
外国人が日本の大学に進学する方法には、大きく分けると2種類の方法があります。ひとつは、自分の国から日本の大学を直接受験し、入学することです。この方法は、大学によって、また、渡日資格によって、条件や資格、選考方法が違ってきますので、志望する大学に直接問い合わせて準備をするようにしましょう。ある大学のある学部では、OECDが指定する国からの受験生には、受験料免除の資格を与えたりもしています。よって、ここでは、もうひとつの方法、一般的な日本国内から日本の大学へ進学する場合についてアドバイスしたいと思います。
海外からだろうが日本国内からだろうが、外国人留学生であっても、日本の大学へ進学する場合は大学入試を受験しなければなりません。その受験方法にはいくつかの方法があります。まず一般的なのが、日本の大学へ進学する際に必要となる【日本留学試験】を受験することです。この試験については、後のページで説明していますので、ぜひ参考にして下さい。そして、外国人留学生が受験する大学入試は、主に日本人受験生たちが受験する特別選抜入試と呼ばれる入試制度と同じ募集枠内で実施されます。
下の表を見てみましょう!
●特別選抜入試枠は、9月~12月が中心です。
●日本留学試験は6月と11月に実施されます。
●11月の試験の結果は、12月下旬に発表されます。
●よって、日本留学試験は6月の試験が大切です。
日本人の大学入試選抜制度は、大きく分けて2種類あります。ひとつは一般入試と呼ばれる制度です。これは、世界共通の制度だと思います。高等学校までの勉強を一生懸命にして、学科試験を受け、その成績で合否を決める制度です。どこの国でも受験生は、日本の高校生(受験生)たちと同じように、夜遅くまで勉強してるんじゃないでしょうか?
そして、もう一つの制度は、この特別選抜入試と呼ばれる制度です。この制度では、特に個別試験において、勉強の学力よりも受験生自身の人柄と将来性、目的性が評価される入試制度です。受験生がどのような考え方を持ち、どのような夢を持っているか、それが大切になります。
外国人留学生が受験する入試は、この特別選抜入試で実施されます。
特別選抜入試の原則は、日本人も外国人も、大学によって試験の制度が違います。国公立大学の場合、その性質から、かなり似通った入試制度を取っておりますが、私立大学の場合、受験資格、必要受験科目、必要書類等、大学によってかなり違います。ですので、志望大学に直接問い合わせたり、資料を請求してよく精査する必要があります。
とりあえず、特別選抜入試の特徴的なことを、以下にあげておきます。
●面接試験が実施される
●学科試験よりも作文・小論文の試験が課される。
●学科試験の代わりに、日本留学試験の(学科)成績が要求される。
入試改革
そして、日本では、2020年の大学入試改革によって、これらのシステムが大きく変化します。これまで『特別選抜入試』として『推薦入試』というのが実施されてきました。それが『学校推薦型選抜』と名称が変更され、その他、特別選抜方式の入試の名称が変更されます。
まぁ、たとえ名称が変更されたところで、これまで『特別選抜入試』や『AO入試』で求められてきたことが、全ての入試に当てはめられるようになるのが今回の入試改革のメインですので、手続き上の変更点をしっかりと押さえておけば大丈夫でしょう。
そして、目玉は『AO入試』です。これが『総合型選抜入試』と名称を変え、まさに総合型の入試、これまで外国人留学生に課してきた入試が実施されるようになります。
未だ(2020.04.05現在)はっきりとはわかりませんが、恐らく外国人留学生の入試は、『総合型選抜入試』へと編入されると見ています。
いずれにせよ、今後の動きに注意してください。