大学の外国人入試で実施される大学個別試験、独自試験と言っても、様々なパターンがあります。『日本語の試験』としながらも、完全に日本人受験生と同じ小論文の試験だったりします。かと思えば、日本語能力試験と見間違えるほど似ている試験問題を出す大学もあります。
ここでは、それぞれ日本語試験の色々なパターンのお話をしたいと思います。
【作文・小論文】
日本人と差別しません。
日本語教師の中には、必死に日本語指導に徹し、中身をまったく無視する方がいますが、それが日本語教師の仕事ですから当然です。しかし、決して入試対策をしているのではないという自覚が必要です。
くどいようですが、完璧な日本語力を求めたら、日本人は誰一人としてアメリカ留学はできません。下手な英語でも留学して行く現実を見れば明らかでしょう。
また、日本語学校で、どんなに必死に日本語を学習しても、大学に入学した後、必須科目として日本語を選択させられます。そこでもう一度、中上級、大学によっては初級から、同じ教科書を使って学習させられるのです。
日本人の受験生向けに書かれた参考書では当たり前に書いてありますが、小論文は、はじめに内容ありき、なのです。
【国語型試験】
次に、国語(現代文)型の試験です。
代表的なのは早稲田大学(共通日本語)、青山学院大学、学習院大学、日本大学(商学部・経済学部)等です。
私がなぜ国語型と呼ぶのかというと、日本人でさえ思考を要求される問題が中心だからです。大人なら簡単かもしれませんが、日本語を母語とする日本人受験生でも、ある程度の練習をしなければ高得点がのぞめないような試験になっています。特に、知識問題などは大人でも間違えます。
ただし、こんな話をすると、どう言うわけか、即『大学入試センター試験の国語』と絡めて考える方がいます。大学入試個別試験の現代文とセンター試験の現代文は分けて考えて下さい!
尚、この入試パターンは、現在、減ってきています。出願前に必ず過去問題を入手して、きちんとした対応をしましょう。
【日本語型試験】
日本語能力試験と間違えてしまうような、非常に似た問題が出題されます。
つまり、この手の問題は、日本人なら理屈ぬきで正解が出せる問題です。もちろん、外国人には難しく、ニホンゴ学習が必要です。他のページにも書きましたが、文科省・法務省が言っている『大学・専門学校へ進学するには、N2相当の日本語力が必要』という条件を確認するための試験です。
一般大学から、下位大学、倒産寸前の大学で多く見られるパターンです。
【書類選考または面接のみ】
このパターンは、留学試験に重点をおく二期、二次募集に多いです。年明けの1~3月期の入試で多いです。日本留学試験の成績が重要になります。