外国人入試

 外国人留学生たちが日本の大学に進学するには、大学の特別選抜入試を受験しなければなりません。では、大学の特別選抜入試には、何が必要なのでしょうか?

特別選抜入試で一番大切なもの

 特別選抜入試では、前述のように、受験生個人の資質が問われてきます。
 例えば、出願の際に提出する志望理由書です。
 この志望理由書は非常に大切で、特に有名大学などでは最重要課題とされています。いろいろな本に書いてある例文を真似しても合格できません。自分自身でしっかりと考えなければなりません。
 次に、小論文試験です。
 今の日本の教育は、これまで行われて来た偏差値教育(英語、数学、歴史などの学科試験を重視する)制度から、個性や独創性、情熱、行動力、そして、思考力、判断力、表現力といった、学生個人の能力を開発する制度へ変わってきています。それらの能力を評価するのが特別選抜入試であり、もう1つ、AO入試でもあるのですが、そのような理由から、出題される小論文の解答も、やはり、受験生自身の独創性と思考力、判断力、表現力が測られるようになっています。
 志望理由書にせよ小論文にせよ、これらの課題に答えるには、普段から社会(世界)に関心を持ち、自ら思考し、自分の考えを持つようにならなければなりません。そのために、新聞を読んだり、自分の専攻に関して勉強したりしなければならないのです。

 いいえ!
 それ以上に、皆さんたちが日本へ持ってきた“夢”が大切になるのです!!

特別選抜入試では、夢が問われる!

 ※ただし、倒産しそうな大学は別です。
 志望理由書の例文を写すどころか、ブース形式の進学説明会へ行って、そこの大学のブースで名前を書けば合格できます(笑)。良くない日本語学校では、このレベルの大学へ進学した学生を自慢げに宣伝し、『私たちは素晴らしい進学指導をしています!』と言って学生を集めています。しかし、そんな日本語学校へ行かずとも合格できてしまうのです。
 その学校の日本語の先生たちのおかげではありません。

必要な書類を用意しよう!

 前述のような反省から設けられた特別選抜入試は、9~12月の間に実施されます。そのため、外国人留学生たちが大学進学を目指そうとする時、この時期に合わせて準備しなければなりません。その準備のために必要なのは何でしょうか?
 まずは、当然のことですが、志望大学出願のために必要な書類です。
 大学出願に必要な書類は大学によって違います。これも特別選抜入試の特徴なのですが、大学によっては非常にたくさんの書類を提出しなければならなかったり、わずかな書類で大丈夫だったり、全ての大学によって様々な提出書類を準備しなければなりません。ある程度一致するもの、例えば卒業証書と卒業証明書、成績証明書等がありますが、だから他の大学も同じだなんて考えないように注意しましょう。卒業証書と卒業証明書でさえ、一方でよかったりコピーでよかったりと大学によって違う場合があるのです。

正しい情報を集めよう!

 外国人留学生の大学入試は特別選抜入試で実施されます。
 特別選抜入試は、9~12月に実施されます。国公立大学の場合は、1~2月に実施される大学もありますが、この場合も注意が必要です。それは、試験は2月に実施されるのに、出願は11月に締め切るような大学もあるからです!
 このように大学によって違うのが特別選抜入試ですから、しっかりと情報を集めるようにしましょう!
 また、厄介なことに、募集方法、募集人数等、毎年、変更されるのも特別選抜入試の特徴です。前年度の入試制度がこうだったから今年も同じだ、とは考えないでください。もう既に何年も指導をしている私ですら、毎年、必ずその年度の入試制度を確認するようにします。
 くどいようですが、それが特別選抜入試ですので、しっかりと情報を集めてください!