青山学院大学の外国人入試対策
2011年度入試より、試験制度が大きく変わりました。
これまでの青山学院大学の位置は、6月の日本留学試験の結果を見て、上位大学を狙えるレベルの成績が取れなかった学生たちが目指す目標大学でした。
というのも、独自試験を中心に選抜方法を行い、一次・二次試験方式で合否判定をしていました。一次試験に出題されるのは、日本人入試の『現代文』型入試で、6月の日本留学試験の日本語で、200点前後の学生が出願し、夏休み、めいいっぱい勉強し、努力し、青山学院大学の一次試験を目指して来ました。実際、その方法で、留学試験では涙をのんだものの、夏休みの努力で合格を勝ち取る受験生たちがいました。言ってみれば、もっとも『受験ドラマ』がある入試でした。
しかし、2011年度入試より、その『現代文』型一次試験が廃止され、一次選考が日本留学試験の成績による合否判定に変更されました。
結果、非常に味気ない入試になってしまいました。
日本留学試験の成績で先が見えてしまい、ロクに努力するような、情熱をかけるようなドラマが生まれなくなったのです。
『あいつが受ける?まぁ、あの点数なら合格するだろう。』
こんな感じで、先が見えてしまうのです。
そこには、暑い夏、必死に努力して合格を勝ち取り、涙するようなドラマはありません。
一応、下には、これまでの記事を載せておきますが、今となっては何のことはない。実につまらない大学入試になってしまいました、…ってのは、受験屋の矜持でしょうか(笑)?
現在では、学部によって日本語能力試験が使えますが、日本留学試験がメインになっています。しっかりと調べてから出願するようにしましょう。
(以下は、旧試験制度による解説です)
この大学もわかりやすい大学です。
まず、日本語能力試験という試験があります。最高で一級という級を与えられるこの試験は、日本人の目からも難しいと思われるような日本語が問われます。
つまり、この日本語能力試験で一級をとる学生は、恐ろしく優秀な学生なのです。褒め称える価値のある学生です。それだけ優秀な学生でも、正しい受験対策を行わないと不合格になる、それが青山学院大学です。事実、日本語能力試験一級に、ボーダーラインを大幅にこえて(350以上)合格したのに、青山は不合格だった学生がたくさんいます。これは100%、担当者の責任です。日本語の先生にはこの大学の受験指導は無理でしょう。
では、その受験とはどのようなものでしょうか?
まず、経済・経営学部は、高倍率です。その高倍率の理由も、ただただ英語の試験がないからです。これだけでも競争率が激しいです。試験は筆記試験と面接試験があります。しかし、筆記試験は一次試験と二次試験と分けて実施されます。最初の一次試験で合格したものが二次試験へと進めるのです。まず、経済・経営ではこの一次試験をクリアするのが目標です。ちなみに、文学部は、よほどのことがない限り、一次試験をクリアさせてくれます。
そして、ここがまた日本語の先生が誤った判断をするのですが、一次試験に合格したものは、ほとんど二次試験にも合格する、というのは、真っ赤な嘘です!!二次試験の際、面接試験が待ち構えています。以前、ブログで書きましたが、このレベルの大学の面接試験は、まず娘の結婚相手の人柄を見抜こうとする父親』状態です。普通に会話を仕掛けてきます。つまり、冗談を言ったり、なるべく普通の会話に近づけていくのです。
つまり、日本語力に問題がある以前に、人間に問題があってはだめなのです。
文学部へ行くなら、文学的な知識と本人の目標等、経済・経営なら現在の日本経済だけでなく世界経済、東アジア経済等、問題意識を持ち、これからそれらの社会とどのようにかかわっていくのか、ビジョンを持った学生が選ばれると思ってください。
必死に練習をし、パターン化された質問にしか答えられないような学生は、すぐに見抜かれます。もともと頭の中に何もないところへ難しい質問が来て、その場で答えを考えようものなら「何も考えていない学生」と判断されます。
これらの面接をクリアするには、普段の日常生活から、新聞を読んだりニュースに関心を持ったりして、準備していかなければならないでしょう。…って、それが当たり前です。
さて、日本語能力試験一級に合格するような優秀な学生でも不合格になると言いました。これはデーターが証明しています。
では、なぜ不合格になるのでしょう?
それは、『日本語』と呼んでいる試験が『国語』、しかもちょっと変わった『国語』だからです。『国語』をクリアするにはそれに向けた練習が必要なのです。それを肝に銘じてください。
まず、いくつか漢字テストが出てきますが、これはすべて正解にするくらいの実力が必要です。競争率が激しい中、半分もできない人間を合格させるような大学ではありません。また、日本語能力試験とは違う形の問題が出題されます。「徒然草」って読めますか?日本語能力試験では決して出題されないでしょう。しかし、文学部へ進もうとする人間が読めなかったら一生の恥、といわれる漢字です。周りの日本人に聞いてみましょう。
また、文学部の日文だったと思いますが、今のような『古文』が出題されます。面接指導などしている際、日本文学を専攻しようとしているのに、日本文学にまったく興味がないような学生がいますが、苦し紛れに2、3の文学作品を教えます。けど、そんなのは即行で見抜かれてしまいます。
いずれにせよ、ただボケ~っと日本語を学習しただけでは決して入れない大学であることには間違いありません。
尚、看板学部に『国際政治』がありますが、そこへ入るには並々ならぬ英語力と実力が必要になってきます。どこの大学にも『看板学部』というものがありますが、そこはどこでも難しい入試になっています。
青山学院大学 外国人入試 面接質問集
【国際政治経済 面接質問】
● なぜ青山学院大学を選びましたか?
● なぜ日本へ来ましたか?
○ 日本に来る前、何をしていましたか?
○ 大学で何を勉強しましたか? (大卒)
○ どうしてファイナンス・マネジメントをやりたいの?
○ (願書の受けたい授業をみて) どうしてこの授業を受けたいのですか?
○ 日本語はどれくらい勉強しましたか?
○ 日本語が読めますか?
○ 日本語でゼミが聞けますか?
○ どうして日本人に親近感を持ちましたか? (志望理由に対し)
○ 日本人とどのようにして友達になりましたか?
学生メモ
★若い先生が2人。とても優しい。
【法学部 面接質問】
● 午前中(面接は午後)の小論文に関する質問。
● なぜ青山学院大学を選びましたか?
● 将来、何をしたいですか?
○ 高校時代の成績と授業内容について(台湾)。
○ 自分の国籍について(台湾)。
○ 日本は台湾を国として認めていないが、どう思うか(台湾)。
○ 好きな脚本かは誰か(台湾)。
○ 日本に何年間滞在しているか(台湾)。
○ 両親と話すときは何語を話すか(台湾)。
○ ものごとを考える時、何語で考えるか(台湾)。
学生メモ
★だいたい15分くらいで終わりました。
★思ったよりテキトーな感じ。
★『京都議定書』って言ったら「普通、外国人は言わないよなァ。むしろ一般入試で。」と笑っていました(ママ)。
【経済学部 面接質問】
● なぜ青山学院大学を選びましたか?
● なぜ経済学部を選んだのですか?
● なぜ経営学部ではないのですか?
● 将来、何をしたいですか?
○ 日本に来る前、何をしていましたか?
○ 大学で何を勉強しましたか? (大卒)
○ あなたのいた大学には日本人の先生がいましたか? (上に同じ)
○ 日本語で、書く、読む、聞く、話す、どれが一番【苦手】ですか?
学生メモ
★話が止まってしまい、先生から「○○さん、緊張しないで下さい。」と言われた。
【経営学部 面接質問】
○ 卒業後の計画を見ました。国際的なビジネスマンになりたいのですね?どうしてですか?
○ それを実現するためには何が必要ですか?
○ この学科についてどれくらい知っていますか?
○ 3年以降、商学、会計、経営の中で選ぶとしたら、どれを選びますか? どうしてですか?
○ 日本企業について知っていることを述べて下さい。
○ 夢はファーストフード産業に挑戦することだそうですね。食品の安全性と健康について、あなたの考えていることを述べて下さい。
○ マクドナルドの創始者は誰ですか?
○ その人は、最初になぜマクドナルドを作ろうと考えたのですか?
○ もしまたマクドナルドと同じ会社を作るとしたら、どれくらい資金がかかると思いますか?
○ 大学院に進学したいそうですが、大学院で何を研究したいですか?
◇ (他、専門に関する質問)
学生メモ
★面接官は全員男性。1人、会社員みたいにな外国人(白人)がいた。
注 意
ほとんどの大学では、事前に志望理由書を提出しているので、面接でくり返し聞くのは、代筆か否かの確認程度。けど、この例のように、全く聞かれないこともある。
【文学部 面接質問】
● なぜ青山学院大学を選びましたか?
● なぜ文学部を選んだのですか?
● なぜこの学科を選んだのですか?
● なぜ○○(学科)を勉強したいのですか?
● なぜ日本へ来ましたか?
● 将来、何をしたいですか?
● 午前中の試験はどうでしたか?
○ 日本に来る前、何をしていましたか?
○ 大学で何を勉強しましたか? (大卒)
○ 日本にどれくらいいますか?
○ 日本語をどれくらい勉強しましたか?
○ (志望理由書より)市民革命に興味をもったきっかけは? (仏文)
○ 中国では「不倫」について、どのように認識されていますか? (会話の流れ上)
● 中国の有名な作家を答えてください。
○ フランス文学作品をどれくらい読みましたか? (仏文)
○ 将来ホテルで仕事をしたいそうですか、中国にホテル学校はありますか?
○ どこのホテルで仕事をしたいですか?
○ 日本語に自信がありますか?
○ フランス語は話せますか? (仏文)
○ あなたから何か質問がありますか?
◎ お父さんは、なぜ日本語を勉強させましたか?
◎ お父さんは何をしていますか?
学生メモ
★フランス人の先生がいました。
★日本文学の質問が怖かったです。
★面接官は3人(日本文学)。2人はおじさんでもう1人は45歳くらい。
★面接官は2人(英米文学)。親切な顔だった。ひとりはいつも微笑したまま。