外国人が大学へ入学する際必要な手続き・試験は、まず、日本留学試験、そして、次に大学独自で行う二次試験があります。この二次試験を受験業界では『個別試験』と呼んでいます。ここでは、それらの種類を見ていきます。
他のページで求められる日本語試験4パターンについて書いていますが、入試の種類として細かく分けていくと以下のパターン(種類)があります。
A 書類審査
この試験の場合、提出する日本留学試験の点数が大きな比重をもっています。また、中には、受験料が欲しくて、合格者が1、2名にもかかわらず、大々的に宣伝し、学生(受験料)集めに走っている大学もあります。2月~3月に行われる二次募集の類は、ほとんどが書類審査で選ばれます。本音は、外国人受験生の焦る気持ちを利用した、完全な商業行為ですので、迷うことなどありません。受けないようにしましょう。
また、留学生30万人計画の影響を受け、日本語能力試験での出願も出来る大学が増えてきました。しかし、日本語能力試験では、偽造合格証明書が流通しており、偽装合格証明書を提出して書類審査で合格することも可能なことから、今後、激減するか、或いは、日本語能力試験のシステムが改訂されるかしていくことでしょう。
B 関係書類 面接
最近の外国人入試でこのパターンを実施する大学が多くなっています。私自身はこれからどんどんこのパターンが増えて行くと思っています。というのも、新しく日本留学試験が実施されるようになり、その試験の結果を重視する大学が増えているのです。今まで、日本語能力試験は大学側の不評をかっていました。その結果、ほとんどの入試は、日本語能力試験の点数ではなく、大学独自の個別試験を重視していました。人気がある大学の極一部には日本語能力試験の点数で足切り(志望者数を減らすため)を行う大学もありましたが、昨年度からその必要もなくなりました。つまり、この型の入試では、日本留学試験が非常に重要です。
日本留学試験に対する評価が大学によって違いますので、はっきりと断言できませんが、今後、間違いなくこのパターンが増えて行くでしょう。
C 関係書類 面接 作文・小論文
外国人入試でもっとも多いパターンです。特に、国公立を受験する学生はこのパターンになります。しかし、国公立大学だけでなく、有名私立大学は非常に人気があり、東京外国語大学の日本史、有名私大の英語、理系大学の数学など、『学科試験』がつく場合(D型)が多いです。このパターンは、日本人の受験生と全く同じ場合がほとんどですので、もし日本語力に自信があり、自分で勉強したい方がいらしたら、日本人向けに書かれた推薦入試の参考書などで学習することをお勧めします。
各試験内容は、それぞれのページを見て下さい。
D 関係書類 学力試験 面接 作文・小論文
C型に学力試験が加わったパターンです。このパターンは、日本留学試験の比重が軽く(中には点数を見ない大学も)、二次試験(大学独自の試験)を重視する私立大学で多いです。学力試験の中身は、理系なら理科、数学。文系なら英語がほとんどです。中には社会科を課す大学もあるようですが、少数です。特に、文系の英語試験は重要です。
E 関係書類 面接 ニホンゴ
C型入試の作文小論文の変わりに『日本語』の試験が課される大学です。
まず、注意して欲しいのですが、どのような日本語の試験でも入試要項には『日本語』と書かれています。それを真に受けてしまう前に必ず大学見学に行き、過去の問題をもらってください。『日本語』と書かれていても、作文・小論文試験である場合もあります(ほとんどの大学)。ここで私が言う『日本語』の試験とは、あくまでも『日本語能力試験』に類似したニホンゴ試験を指します。
詳しくは『日本語教育』のページを見て下さい。文科省・法務省が『大学・専門学校等へ進学するには、N2相当の日本語能力が必要』と条件指定していることへの証明として実施される試験です。大学側が偽造合格証明書の存在を知っているあらわれでもあると思います。
F AO入試
AO入試は2020年の改革で『総合型選抜』となります。