日本語教育の参照枠と教師資格が了承された後は…

日本語教育の参照枠と公認日本語教師(仮)の教師資格が了承されたようです。
有料ニュース『https://www.kyobun.co.jp/news/20211012_04/
文化庁国語分科会『https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kokugo/kokugo_78/index.html』これを受けて今後の流れを想定したいと思います。

今後、注目すべきは、やはり日本語学校の類型化でしょう。類型『留学』認定機関では『全て、または一部の日本語教師は公認日本語教師でなくてはならない』となっています。ですので、これらの法案が通れば、政令省令の措置として、各日本語教育機関に通達が来るでしょう。

それに対し、類型『生活』の日本語教育機関では、公認日本語教師の配置は努力目標となっています。つまり、公認日本語教師の国家資格を持っていなくても、そこでは仕事が続けられるのです。


では、類型『就労』の日本語教育機関は?
こちらの方は、まだ発表されていません。わたしの予想では、こちらも公認日本語教師の配置は努力目標程度になるかと思います。
つまり、就労希望者を扱う日本語教育機関は、国家資格を持っていなくても仕事を続けることができるということです。
これを見方を変えてみると?公認日本語教師の国家資格を持たない日本語教師は、留学生を扱う法務省告示校では働けなくなる、ということです。

この日本語学校の類型化には審査が行われるそうです。その審査に通らなかった法務省告示校は在留資格『留学』の申請取次機関の資格を剥奪されることとなるでしょう。そうなると、その日本語学校は留学生以外の日本語学習者を相手にする学校になります。その相手とは?正に、特定技能で来日を希望する日本語学習者となるでしょう。


では、この類型『留学』認定機関の審査、どれくらいの日本語学校が通過できるのでしょうか?
留学生30万人計画が発表されてから、実際に留学生30万人が達成されるまで、12年かかっています。
特定技能では、安倍内閣が5年以内に134万人を入れるとか言っていました。
これを実現するには、相当な数の日本語教師が必要でしょう。また、これを実現するためには特定技能を扱う日本語学校を相当な数増やしたいことでしょう。ならば、留学生を扱う日本語学校を極端に絞り、一気に特定技能を扱う日本語学校を増やしにかかると思います。


類型『留学』認定機関の審査に合格したかったら、ちゃんと公認日本語教師を配置してね!
類型『留学』認定機関の審査に合格したかったら、ちゃんと学校の施設を充実させてね!
類型『留学』認定機関の審査に合格したかったら、ちゃんと卒業までにN2以上の日本語能力をつけさせてね!!だって、大学・専門学校に進学させるには、N2相当、或いは、N2以上の日本語能力が必要ですから!まさか、N2も取れないような偽装留学生を、少子化の影響で経営の苦しい定員割れFランク大学や、ビザ取り専門・学校へ送り込んでたりはしてないでしょうね?


審査は厳しくなるのではないでしょうか。

そうなったら?留学生を扱えない日本語学校だらけになることでしょう。
公認日本語教師になるには、現職の日本語教師でも試験を受けなければならないようです。一部、ちゃんとした学校に在職している方には免除も検討されるようですが。けど、当然、お役所は救済措置を設けるはずです。それが、類型『就労』認定機関ってわけです。


私はかつて、自分でいうのも好きですが、空前絶後の方法で伝説に残るような進学実績を出しました。
その際、学院長に提案したのは、午前中、日本語教育をし、午後、同じ校舎で予備校式の進学授業をするということでした。しかし、これは金銭的に難しいということになり、午前中の授業だけで進学実績を出すことになりました。
けど、今では外国人(特に中国人)相手の進学塾が盛んになっているようで、日本へ来る留学生も経済的に豊かな学生が多く、日本語学校は日本語、受験勉強は進学塾で、という体制になっているようです。特に中国人留学生はお金のある留学生だそうです。わたしがクラスを持っていたときは、ちょうど韓国がそうなった時代で、当時の中国人留学生は、本当に金のない留学生ばかりでした。金があったら欧米に留学する、って感じです(笑)。

では、特定技能ではどんな日本語学習者が来るの?はい。やはり中国人でしょう。ネパール人、ベトナム人に比べて優秀です、というと語弊がありますが、要は、漢字が読める人たちです。
中国は経済発展して豊かになったとはいえ、まだまだ貧しい人たちはいっぱいいるんです。https://toyokeizai.net/articles/-/357314?page=2
この人たちに呼びかけたら?喜んで大量にやってくることでしょう。

世界史を勉強すれば出てきますが、植民地や海外で労働力として働く中国人のことを『クーリー(苦力)』と呼んでいました。正に、クーリーたちが大挙して人手不足の日本社会を支えるようになるのでしょう。
そのためにも、中国人留学生を入学させられないような日本語学校、ネパール、ベトナム、ミャンマーあたりから(偽装)留学生を連れてきて儲けてきた日本語学校から『留学』を剥奪し、特定技能で中国人を連れてこい、ってなることでしょう。

そうなったら?
大学や専門学校への進学はさせられなくなります。
どんな日本語学校でも、きちんと公認日本語教師を配置して、ちゃんと運営してなければ留学生を連れて来ることすらできなくなるのです。


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